ビジネスコミュニケーションにおいて、結論ファーストは必須スキルの一つです。
結論ファーストができないと「仕事ができない」といわれる社会人の常識ですが、本当にできない人間が多い。「1+1=2です。」と答えることはできても、「なぜ仕事が終わっていないか」に対して「タスクの優先順位を誤ったためです。」「予定していた業務に十分な時間を割けませんでした。」と結論ファーストができる人間は少ないです。
これは社会人の階層に関係なく、ビジネスマンの特徴として存在する永遠の課題の1つだと感じています。本記事では、なぜ結論ファーストができないのか、身に着けるために必要な対処法を解説します。
【結論】結論ファーストができない理由は質問の理解力不足と言い訳
私が思うに、結論ファーストができない理由は「質問の理解力不足」と「言い訳」であることが多いと分析しています。詳しく説明します。
質問の理解力不足
結論ファーストがうまくできない理由の一つに、質問や問題を正確に理解できていないことが挙げられます。相手の求める情報や回答を把握する力が欠けていると、結論を明確に導き出すことが難しくなります。
ビジネスコミュニケーションにおいて、質問者が質問するときに求めていることは、基本的に以下です。
- 質問の回答(状況把握)
- 問題点
- 解決策
質問の意図を深く考えずに、すぐに答えようとすると、核心をつかめないまま冗長な説明に終始することもあります。結論ファーストを成功させるためには、まず相手が何を知りたいのか、問題点はどこにあるのかをしっかりと理解する力が必要です。質問を的確に捉え、結論を簡潔に伝えることが求められる場面では、事前にしっかりと質問の意味を考え、要点を整理することが重要です。
言い訳
結論ファーストができない理由のもう一つは、言い訳に走ることです。社会人の特徴の1つですが、「質問される」=「やばい」と捉える人が多いです。自分のミスや弱点を認めたくないという心理も働くため、結論を先に述べるのではなく、弁解や説明を優先しがちです。
例えば、例えば、「なぜ仕事が終わらないか」に対して「いろいろ理由はあるんですけど、、、」「残業して終わるのであれば問題ないと思っています。」などの回答をする人がいました。このような状況では、明確な答えを提示するよりも、なぜその結論に至れなかったのかという「言い訳」に多くの時間を費やしてしまうため、結果的に質問者の時間を無駄に消費します。
後ろめたい気持ちがあるのはとても理解できますが、それが現状です。結論ファーストを成功させるには、言い訳を排除し、シンプルに事実や答えを先に伝える姿勢が重要です。
結論ファーストができることのメリット
結論ファーストができることの具体的なメリットは以下です。
- 意思決定の迅速化
- 信頼感の向上
- 誤解の回避
- プレゼンテーションの説得力向上
意思決定の迅速化
結論ファーストは、意思決定を迅速化する上でも非常に効果的です。結論を先に示すことで、相手がすぐに次のステップに移るための判断材料を得られます。特に、回答者に迅速な判断が求められる状況や、複数の選択肢を比較する際には、この手法が非常に有効です。誤解が少ないコミュニケーションは、結果として双方の理解を深め、円滑な議論や意思決定が可能となります。
ビジネスやプロジェクトの進行中、時間は非常に貴重です。結論を後回しにすると、全体の流れが遅れ、意思決定にかかる時間が長くなってしまうことがあります。後から追加の説明や訂正が必要になる可能性も減り、時間と労力を節約することができるというメリットもあります。
信頼感の向上
結論ファーストのもう一つの大きなメリットは、信頼感の向上です。結論を先に示すことで、相手に対して自信を持って答えている印象を与えられます。特に、曖昧な説明や回りくどい話し方は、相手に不安感や不信感を抱かせる原因となりがちです。
言い訳によって回りくどい言い方をすることで、「何か隠してる」「付き合い辛い」などの悪印象を植え付けます。ビジネスマンとして、この印象は最悪です。相手が社内でも社外でも、この印象を一度持たれてしまうと挽回がとても難しい状況に追い込まれます。
結論ファーストは、そのようなリスクを避け、短時間で明確な答えを提供することで、相手との信頼関係を築きやすくします。また、相手が求めている情報を的確に先に伝えることで、こちらの準備が整っているという印象を与えられるため、プロフェッショナリズムを示すことができます。特にビジネスや顧客対応の場面では、この信頼感が非常に重要であり、相手が再度相談したいと感じるような関係を築くためにも、結論を先に述べるコミュニケーションは非常に効果的です。
誤解の回避
結論ファーストは、誤解を避ける上でも非常に有効です。結論を後回しにする場合、相手が話の途中で誤った方向に解釈してしまうことがよくあります。特に、長い説明や複雑な問題の場合、結論に至るまでの情報が多いと、相手が混乱し、誤解を招く可能性が高くなります。
「話がよくわからない」「何を言っているかわからない」と言われたことがある人は、基本的に相手に前提条件が植え付けられていないケースが多いです。結論ファーストを用いることで、相手は最初に結論を理解した上で、その背景や詳細を聞くことができるため、情報の受け取り方がクリアになります。
プレゼンテーションの説得力向上
結論ファーストは、プレゼンテーションの説得力を高めるための強力な手法です。結論を先に提示することで、聴衆はその結論に対する理由や根拠を順に追いながら理解することができ、全体の流れが非常にわかりやすくなります。
特に、ビジネスプレゼンテーションや提案を行う場では、最初に結論を示すことで、相手に「この提案はどういう価値を持つのか」を明確に伝えることができ、その後の説明がスムーズに進みます。また、相手が求める情報を先に与えることで、聞き手の興味を引きつけ、説得力のある論理展開が可能になります。
「なんのプレゼンですか?」「結論何が言いたいんですか?」という回答が来るうちは、質が悪いプレゼンテーションだということです。結論を後回しにすると、相手が話の途中で内容に興味を失ってしまったり、どの方向に話が進むのかがわからずに混乱する可能性があります。結論ファーストを用いたプレゼンテーションは、明快さと共に、聞き手の納得感を高める大きな効果があります。
結論ファーストができるようになるための秘策
結論ファーストができると、ビジネスマンの評価やコミュニケーションにとても効果的です。結論ファーストを効果的に使いこなすためには、いくつかの対処法を実践することが重要です。(ちなみに本とか読む必要はないです。以下の実践のみ!)
質問を理解してから回答する
まずは回答までのスピードなんてもってのほかで、「質問を理解してから回答する」を実行してください。これは日常から実践できます。
例えば友人間で「何が食べたい?」と聞かれたとします。その時は、「~にしよう!」と回答しましょう。「なんでもいい」「○○は何が食べたい?」と答える人、多いのではないでしょうか?質問者が聞くということは、何を食べるか決めてほしいという意図があります。正しい回答は「何にするかを明確にすること」です。
習慣化することで、絶対に身につくスキルです。新卒の方や、今似たような経験をしている社会人の方は実践してください。
明確でなくても結論から話す
質問に対して咄嗟に結論が出せなくても正直問題ないです。しかし、会話の中で最終的には正確な結論を理解してもらう必要があります。現状思い浮かんだ結論を端的に提示し、もし違ったときは明確に訂正すれば問題ないです。
そのためには、結論を述べた後には、その理由を明確に伝えましょう。理由が具体的であればあるほど、相手に納得感を与えることができ、相互のストレスを軽減できます。
- 結論を述べる
- 理由を2〜3つに絞る
- それぞれの理由に具体的な事例やデータを示す
相手の立場を考える
相手の立場に配慮することで、より効果的なコミュニケーションが可能となります。相手の期待や不安を事前に想像し、それに応じた伝え方を工夫することが大切です。なぜ聞いているのか、どう回答するのがいいかを考えてください。
相手の立場を考えるために一番実践的な方法として、私が実践したことは「自分より2つ上の役職の視座に立って仕事をする」ことです。「今自分にとって重要なことは○○だけど、上司にとってはどうでもいいこと。」と判別できるようになると完璧です。これを意識してみると、自分の視座本位な回答をすることはもうないでしょう。
まとめ:結論ファーストの効果的な活用
結論:結論ファーストは是非できるようになりましょう!
「結論ファースト」はビジネスコミュニケーションの必須スキルであり、これを実践できることで効率的な対話が可能となります。しかし、多くの人が「質問の理解力不足」や「言い訳」によって結論ファーストを実践できていないことが課題です。
質問を的確に理解し、相手が求める答えを簡潔に伝える力が必要で、結論を後回しにすると、誤解や時間の浪費につながります。また、自分のミスを隠すために言い訳を優先してしまうと、信頼感を失う原因となります。
結論ファーストを身に付けることで、意思決定が迅速になり、誤解を避けられるだけでなく、信頼感を高め、説得力のあるプレゼンテーションが可能となります。これらのポイントを押さえて、日々のコミュニケーションに取り入れてみましょう。
最後まで読了いただきましてありがとうございました。今回の獲得Exp:4,127(文字数)